「………………。」

10月15日、今年もやってきたこの日の朝、俺は自分の机の上に出来てる小山を
コレでもかいうくらい冷めた目ぇで見てた。

「……どないせぇいうねん、この荷物。」


        大荷物の祭日
        Yushi Oshitari Birthday Dream Novel


10月15日言うたら、誰でも知ってる(多分やけど)俺の誕生日や。

あんまり気にしたことないんやけど、どうも俺は普段から女子にモテとるらしく、
毎年この日になると俺は学校中の女子からぎょうさんプレゼントを貰う。

そのせいで男には大抵『うらやましい』って言われるけど…甘いで、自分ら。

考えてみろや、毎年毎年でっかい紙袋抱えて持って帰らなアカン手間を!
俺の知ってるどっかの誰かみたいに自家用車呼べるんやったえーけど、こっちは
そんなご身分やないっちゅーねん。

……アカン、考えたら頭(いた)なるわ。

それに……いくらぎょうさんプレゼント(もろ)ても一番貰いたい相手からもらえへん
かったらしゃあないやないか。

 * * *

「忍足ー。」

聞きなれた声が聞こえて、俺は振り返った。
見たら廊下側の窓から手ぇ振ってる女子がおる。

「か、おはようさん。」

隣のクラスの、去年同じクラスやったのが縁で俺とよう喋ってる女子や。

「どうしたぁ、朝っぱらから吐きそうな面して?」

俺は黙って自分の机を指さした。
すると、はすぐ納得した。

「なるほど、今年も大荷物の祭日がやってきたんだな。毎回毎回ご苦労さん。」
「何やねん、その大荷物の祭日て。しかもお前、密かに人の苦労を楽しんでへんか?」
「まさか!密かじゃなくて堂々とだ。」
「……いっぺん死ねや。」

ったく、こいつは。ま、今更驚かんけどな。

「心配すんなってー。」

人の(おも)てることなんか知らんはワッハッハッと豪快に(わろ)た。

「どーしても自分じゃ持ちきれない荷物なら私が運ぶの手伝ってやるからさっ。」

俺はそんなを微妙な気分で見つめる。

意外やって思うかもしれんけど、去年同じクラスやった時から俺はに想いを寄せとった。

ちょっとけったいというかなんというか…言葉遣いは男臭いし、
その上何や自分流の表現方法みたいなんがようけ混じってて、
慣れてへん奴やったら確実に引くようなそんな奴やけど、ちょっとばかし惹かれてたりする。

何でって言われてもごっつむつかしいんやけど、多分あんまし女って感じがせえへんとこが
ポイントやと思う。

来るものは拒まず、去るものは追わずで大概のことには寛大な奴やし。

せやけど、そんなにはやっぱり普通やったら有りえん特徴があって。

それが今、俺が密かに悩んでることやった。

「いや、自分の細腕で手伝(てつどう)てもろても大して変わらんわ。それにどうせ岳人らになんぼか分けたるしな。」
「わーお、女の子達が思いを込めて作った食べ物もそーゆー形で虚しく消える訳だ、
彼女らの知らんところで。お前といいサー・ナルキッサスといい、毎年テニス部の誰かの誕生日は
そういうとこが楽しいな。」

はまた豪快に笑た。

ちなみに『サー・ナルキッサス』ちゅうんは、お得意の特殊表現の1つで
言うまでもなく誰もが知ってる跡部景吾のことや。

跡部はが自分のことをこない呼ぶ度にキレてるけどな、
事実やからしゃあない。(ナルキッサス narcissus=水仙。自己愛、狂気の象徴)

「自分…今の台詞で確実に学校中の女子を敵に回したで。」

俺はえらいことを口にするに言うたけど、はあっけらかんとしてこう言うた。

「今更何言ってんだ?私は年中無休、喧嘩の赤札市だぞ。」

この阿呆が俺の思うとこに気づくんは、一体いつのことなんやろか。


「うわっ、侑士、何だよコレ。」 「今年もまた随分貰ったんですねぇ。」 その日の放課後、いつものように部室に行ったら俺の持ち込んだ大量の荷物に ダブルスパートナーの岳人や後輩の鳳らがわらわら寄ってきた。 「これさ、去年より多くね?」 「いちいち数えてるんですか、バカバカしい。」 「あーっ、何だよ、その言い方は。」 「何言ってんだ、テメェら。この前俺様が貰ったよりは断然少ねぇよ。」 「お前の話なんかしてねーだろが。」 更には日吉や跡部や宍戸まで混ざってやかましさが倍増する。 やれやれ、こいつらは元気やなー。何食べとったらそない元気やねん。 仲間がやかましゅう騒ぐのを尻目に俺はさっさと着替えにかかる。 「メッチャ荷物多いから、食いモンは適当に食ってええで。」 俺は普通に言うたつもりやったんやけど、どうもそうは思わんかった奴が約一名。 「あんだ、忍足。随分とご機嫌斜めだな、ああ?」 「お前にカンケーないやろ、自己愛卿。」 まさか跡部に言える訳あらへん。『がプレゼントくれへん』なんて。 そんなん言うてみ、どないな目に遭うか。 「ほほぉ、さてはあのイカレ女が元凶か。」 跡部に言われて俺は引きつった。 しもた。うっかりこいつのことを『自己愛卿』言うたんが致命的やった。 『自己愛卿』→お得意の『サー・ナルキッサス』に通じるもんなぁ…。 「気の毒なこったなぁ、肝心の相手が人の誕生日にまるっきし関心がない奴とは。」 「やかましわ。」 俺は言うたものの、我ながら言い方が弱い。 そう、跡部の言うとおり。 あのの普通やったら有りえん特徴とは、 『誰かの誕生日に何の関心も示さない』 とゆーことや。 はどうも、誕生日っちゅーんは年を食うだけで特に騒ぎ立てるほどの ことやないという考えを持っとるらしくて誰かに誕生日プレゼントをあげるいう感覚が 全然あらへん。 それは自分にも当てはまるらしくて、誰かに貰おうとしたことがないどころか 自分の誕生日を誰かに教えたこともほとんどないらしい。 (俺は知ってるけど。) 勿論、にそれなりの想いを抱いてる俺としてはこれは全然おもろない話やった。 そらにはの考えがあるんはわかっとるけど、出来ればって思てまうのが人情ってもんで。 特に、正直余分なプレゼントばっかり貰ったりなんかしたら余計そないな気分になってまう。 「諦めろ、の奴に期待するなんざ愚の骨頂だ。」 「お前は単にあいつに関心持ってもらわれへんのが気に入らんだけやろ。」 今度は跡部が引きつる番やった。どーも図星やったらしい。 「てめぇ、グラウンド余分に走りてぇのか。」 「せやからお前は『自己愛卿』や言うねん。」 俺はジャージに着替え終わると、ロッカーの戸をバタンと閉めた。 「ほな、俺先行くわ。」  * * * テニスコートに行ったら、周りはいつものように女子連中がむやみやたらに集まっとった。 言わんでも知っとるやろけど、大半は跡部の親衛隊や。 後、どーも俺の親衛隊もようけおるらしいけど全然興味ないからよう知らん。 ま、そんな連中ばっかりやから俺がコートに来た途端、ごっつい悲鳴があがった。 うちの正レギュラーもたいがいやけど、こいつらも元気やなー。 お目当ての選手がおるから言うてここまでするか、普通??? 阿呆くさいから俺はそいつらをほっといてその辺におる部員と一緒にさっさと 用意を始める。 急にギャラリーの女子らの間が騒がしなったんは俺がボール籠を降ろしてる時やった。 「何やねん、やかましなぁ。」 俺が言うたら側におった2年の1人が、忍足さん、アレ、とコートの観覧席の方を指さした。 その先におったんは、こっちに向かって呑気に手ぇ振ってる女子やった、 それも今朝会うた。 「おーい、忍足ー。」 自分の周囲の状況がわかっとるんかどうなんか、人ごみを掻き分けながら はこっちに降りてくる。 阿呆か、この女は。 部外者がコートに降りてどないすんねん! 俺は大慌てでのところへすっ飛んでいった。 「どないしたんや、。」 観覧席の階段の真ん中で俺は隣のクラスの女に真っ先にそない聞いた。 こいつが放課後テニスコートに来るなんて、いつもやったら有りえへんから。 「どしたもこしたも、」 は呑気に言うた。 こいつの声聞いてたらどーも外界と隔離されたような気になるんは俺だけやろか? 「届けモンだよ。」 「届けモン?」 俺は一瞬、今日という日の特性上相手がやったことを忘れてしょうもない期待をした。 せやけど、生憎ほどドラマ的展開が似合わへん奴はおらん。 「これ。」 が俺の目の前に突き出したんは見慣れたリストバンドやった。 「廊下におっこちてたんだ。確かお前のだったと思ってさ、私の記憶装置にガタが来てなけりゃの話だけど。」 「あ……おおきに。」 俺は何や拍子抜けした心地でからリストバンドを受け取る。 そこで、ふと気ぃついた。 「お前、何でわざわざ俺のトコ来てん?落としモン届けるだけやったら部室行って誰かに預けといて くれたらええのに。」 言うたらは、んー、と言って人差し指でほっぺたをカリコリとかいた。 「それがさー、部室行ったら跡部に忍足はコートにいるからそっち行きやがれとか 言われたんだよなー。預かってくれてもいいのに、あの吝嗇家(りんしょくか(ときたら……」 「いちいちめんどいこと言わんと普通にケチって言えや。」 「悪いが、普通の物言いが出来る頭は持ち合わせてなくてな。」 今、言うんやなかったってごっつ思たんやけど。 って、あれ? ちゅーことは跡部の奴がわざとを俺んトコに寄こしたってことか? …………………あいつめ。 「じゃ、まぁそゆことで。」 「あ、ちょお待てや。」 くるっと背を向けて立ち去ろうとするを、俺は思わず呼び止めた。 「お前、今日暇か?」 「? ああ、別に用事はないけど。」 「それやったら、部活終わるまで待っててくれへんか。一緒に帰ろうや。」 は俺がそんなことを言うとは思てへんかったらしく、ちょっと吃驚したような顔をしたけど 「お前がそう言うんなら、いいよ。」 あっさりオーケーをくれた。  * * * そないな訳で、次の瞬間には俺はテニスコートでいつものように練習をし、 は観覧席に陣取って宿題をしてた。 って、これだけ言うたらえらいあっさりしてるけど実際はあまり簡単やなかった。 考えてみたら、女子の中で一番仲がええ割に俺は自分の部活が終わるまでを留め置くということを したことがなかった。 当たり前やけど、こっちは遅くまで練習せなアカンし、でどこの部活にも入ってへんから 放課後になったらさっさと帰ってまう。 つまり今日俺は前代未聞のことをやらかしてもたっちゅーことや。 更に言うと、はその変わりモンぶりで大概の奴に顔も名前も知られとるから テニスコートの観覧席に座ってたら目立つことこの上ない。 で、困ったことにうちの正レギュラー陣がそれを見逃すはずがあらへんかった。 「おい、何でがあんなとこに座ってんだよ?!」 まず気づいたんは岳人やった。 「へぇ、珍しいですね、あの変わり者で有名な人がこんなとこにいるなんて。」 「フン、所詮あいつも女だってことか。」 「でも、あの人全然こっち見ないで勉強してるみたいですよ。」 「ウス。」 順番に言い出すのは日吉、宍戸、鳳、樺地。 「……とんだことしてくれたな、跡部。」 「何のことだ?」 とぼける部長に俺は思わずジト〜ッとした視線を送る。 「よう言うわ、自分がわざとを俺んとこに寄こしたんやろ。しかもあいつ、 自分からあんな目立つとこで待つよーな奴とちゃうのに。一体、何言うてん?」 「さあな、俺は単に待つんなら忍足からわかりやすいトコに居た方がいいんじゃねぇかって 提案しただけだ。」 「やっぱりお前が元凶やないか。」 「知らねーよ、その後がだったらここ座っていいかって聞くから好きにしろとは言ったがな。」 俺は一瞬、こいつ屠ったろかと思たけど後がややこしいからやめといた。 今日は監督おらんからって好き勝手して、ホンマに……。 「お、がシャーペン落としたぞ。」 「ベンチの下に入っちゃったみたいですね、あーあ、気の毒に。潜って探してますよ。」 「おい、長太郎。いちいち手助けに行くんじゃねーぞ。」 「チッ、バカバカしい。何だって部長はあの異端児があすこにいるのを黙認してるんだ。」 レギュラーはの様子をいちいち観察しとるし、あーあ、やってられへん。 俺はいち早くこの場から逃げ出したくてしゃあなかった。 「俺様に感謝するんだな、忍足。」 「覚えとけや、跡部。いつか絶対葬ったる…」 何でわざわざ誕生日にこないな目に遭わなあかんねん。
日もとっぷり暮れたころ、俺はと一緒に家路についてた。 俺の手には誕生日プレゼントが大量に入ったでっかい紙袋が二つ。 休み時間とかに女子から散々寄こされた食いモンの多くは仲間に食わしたから 大分マシになっとるけど、結局その後仲間からも何ぼかもろたからやっぱり重い。 ちなみに跡部は何も寄こさんかった。 どーもを俺んとこに寄こしたのでチャラにするつもりらしい。 の言うとおり、ケチかもしれへん。 「……あー、何か今日一日だけでごっつ疲れた気ぃする。」 「おい、大丈夫か?荷物持ってやるよ、お前の生存確率をちょっとでも上げる為にもな。」 「俺は瀕死の鯉かなんかか!」 「鯉とは言わないけどさ、炭化寸前の秋刀魚ってとこかな。丁度色黒だし、今は秋だし。」 滅茶苦茶なことを平気で言いながらは俺の手から紙袋を一個取り上げる。 「それにしてもテニス部は大変だな、あんだけ取り巻きの女子がわらわら寄ってきたんじゃ、 練習どころじゃないだろ?」 「まーなぁ、たまに鬱陶しい時もあるわ。大会の時の応援はありがたいけどな。」 「なるほど。」 それから俺とはしばらく一言も喋らへんかった。 2人分の足音が妙に耳につく。 先に沈黙を破ったんは、俺やった。 「そういえば、」 「ん?」 「俺ら、今までこないして一緒に帰ったことないなぁ。」 はあ、という顔をした。 「確かにそだな。お前は部活だけど、私は部活ないし。でもそれがどうかしたか。」 「いや、別に。ただ気ぃついただけ。」 言って俺はチラと横を歩いとるを見た。 紙袋を担いで呑気に歌を口ずさんでるはいつもと変わらん顔をしとった。 多分、こいつはこれから何回俺の誕生日が来てもこんな顔して横を歩いてるんやろう。 何の日ぃでもこいつの中では関係ない。 時間の流れはいつでも一緒で、こいつにとっては特別なことなんて何もないんや。 それは、らしいとこで俺はのそんなとこが好きなんやけど ちょっと寂しい気がしてしゃあない。 なあ、。 たまには他の女の子みたいに祝ってくれや。 どんなプレゼントよりも俺は、お前が祝ってくれたら一番嬉しいねんから……。 せやけど、所詮それは儚い希望やった。 「それじゃ、私はこっちだから。」 気がついたら、俺らは分かれ道に来てた。 「これ、返すよ。」 はさっきまで肩に担いどった紙袋を俺の手に押しつける。 「あ、ああ。持ってくれておおきに。」 「どういたしまして。じゃ、また明日な。」 そうしてはいつもやったら学校で言うのと同じ調子で言うて、さっさと俺に背を向ける。 「ほな、またな。」 俺が言うたらは片手をひょいと挙げて、曲がり角の向こうに消えていってもた。  * * * 何かなぁ。 どうにもこうにも虚しい気分が拭えへんまま、と別れた俺は家に着いた。 「ただいまぁ。」 大荷物を抱えたまま玄関のドアを開けて家に入ると、おかんや姉ちゃんにも顔を見せてから 自分の部屋に引き上げる。 「ホンマ、無駄に疲れたなー。」 荷物のその辺にほりながら(放りながら)俺は呟く。 そんで制服から着替えようとした時、ふと机の上に見慣れんモンが置いてるのに気ぃついた。 白い箱。それも何かリボンがかかってる。 「何や、これ?」 俺は箱を持ち上げてみたけど、これが何なんか手がかりになるもんがなーんも書いてへん。 姉ちゃんが何か買うてきてくれたんかな。 俺はそう思って着替える前に姉ちゃんとこに行って聞いてみた。 そしたら、俺は姉ちゃんの口からは意外なことが飛び出した。 「俺が帰ってくる前にうちに届いた?それも宅急便の時間指定で?」 姉ちゃんは肯いた。 「せやけど、誰が…」 俺は思わず考え込む。そしたら姉ちゃんは言うた。 ”さっさと箱開けてみたらええやないの”と。 ま、そない言うたらそうか。 俺は早速部屋にとって返して、机の上から箱を取り上げるとリボンを解いた。 白い箱の蓋をそっと持ち上げたら、中にはペンダントらしきもんが入ってる。 「へぇ、なかなかええやん。」 俺は銀色の剣みたいな形のトップがついたそれを取り出して眺めた。 「せやけど、こんなん誰が…」 呟いて俺はペンダントを取り出した箱の底にまだ何か入ってるのに気ぃついた。 ワープロ文字で"Happy Birthday!"と打ってある小さいカードや。 勿論、俺はそれを取り出して中を開いた。 「!!」
気まぐれ起こして夏休みに銀粘土で作ってみた。 そのまま渡しても良かったんだけど、お前が毎年大荷物の祭日で大変なの知ってるから 私は別途に送ることにする。誕生日おめでとう。
「ハハ。」 何か妙に込み上げてくるもんがあって、俺は1人笑てもた。 何やねん、あいつ。 知らん顔して不意打ち食わすなんて、やってくれるやないか。 俺は鞄から携帯電話を出して、登録してる番号を呼び出した。 電話をかける先は…決まってる。  RRRRRRR 『もしもし。』 「か、俺や俺。」 『ああ、忍足か。てっきりオレオレ詐欺の関西版かと思ったよ。』 「阿呆か、自分、俺の電話番号登録してるんやろ?」 どこまでもおもろいことを言うに俺は苦笑する。 「それよりな、」 『うん?』 「おおきに。」 『……何が?』 はすっとぼけるけど、甘いで。 声がごまかしきれてへんの、丸わかりや。 「自分なかなか粋なことするやん。」 『スイ?イキ(粋)じゃないのか?』 「気にすんなや。それより、嬉しかったで。」 『そうか。なら良かった。』 「。」 『今度はどした?』 俺は、一瞬どないしょうかなと躊躇した。 こんなん言うの、いくら電話越しでも落ち着かへん。 せやけど、今逃したら後からなんて言われへんやろなって思たら 案外あっさり覚悟は出来た。 「あのな、……」 そうして俺はとうとう言うた。 そんな俺の言葉に、は答えた。 『私もだよ。』
午前中には『大荷物の祭日』やとふざけた形容をされてもた今年の10月15日は、 終わりの方になってから、俺にとって一番の日になった。
THE END
作者の後書き(戯言とも言う) 忍足少年誕生日夢です。 今回ほど予定と全然違うことになってしまったことはありません。 始めは『ガラスの飾り玉』のネタを使う予定でした。 それをやめて別途に短編として公開した後は、『2人が一緒になったワケ。』の ヒロインを使おうかと考えました。 でもそれも何だか気に入らない。 そんなこんなでえらく回り道した上、なかなかネタが出てこなくて 下手したらアップ予定の10/14に間に合わへん、ヤバイー!!と思いながら出来たのが この作品であります。 あ、危ないトコやった。 跡部誕生日夢はやたら早く出来上がったというのに……。 後でよく考えたら、海堂バレンタイン夢とかなり被ってるとこがあるんですが ま、それは撃鉄の作品の特徴と言うことで許してやってください(^^;) ちなみに大阪弁では本来、粋を「スイ」というそうです。 撃鉄の母が言ってました。 ただし、今時の若い大阪人が言うかどうかは定かではありません。 (多分言わへんのとちゃうかな)
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